- 2026-01-18
ホクロの癌〜メラノーマ(悪性黒色腫)の危険因子〜

皮膚癌は近年増加傾向にあります。今回はホクロの癌であるメラノーマ(悪性黒色腫)のお話です。メラノーマは病変の深さがほんの数mm深くなるだけで予後が悪くなるため、早期発見がとても大切です。
メラノーマの早期発見のために、メラノーマの危険因子について最近の総説文献を紹介しますので、ご自分に該当する危険因子があるかどうかを確認し、簡単にできるセルフホクロチェックをトライしてみて下さい。

今回の課題のまとめです。
自分に該当するメラノーマの危険因子があるかどうかを確認する→セルフホクロチェックを試す→メラノーマのABCDE評価で該当するホクロがあれば皮フ科受診を検討する、という流れになります。

それでは過去に報告されているメラノーマの危険因子と相対危険度(※)を示します。
Fitzpatrick (フィッツパトリック)のフォトスキンタイプという日光過敏性に基づく肌分類も覚えましょう(※※)。
皆さんは下の11個の危険因子の中で当てはまる項目はありますでしょうか?
★ メラノーマの既往がある人は、既往のない人と比べて8.40倍メラノーマのリスクが高くなる。
★ フォトスキンタイプⅣの人と比べて、タイプIの人は2.09倍、タイプII の人は1.84倍、タイプⅢの人は1.77倍リスクが高くなる。
★ 虹彩の色: 明るい人は暗い人と比べて1.62倍
★ 一親等内のメラノーマの家族歴がある: 1.74倍
★ 全身のホクロの総数が0-15個の人を1倍とすると、16-40個の人は1.47倍、41-60個は2.24倍、61-80個は3.26倍、81-100個は4.74倍、101-120個は6.89倍とリスクが高くなる。
★ 左右非対称、境界不整、濃淡がある、大きいなどの非典型なホクロの数が0個の人を1倍とすると、1個ある人は1.60倍、2個ある人は2.56倍、3個ある人は4.10倍、4個ある人は6.55倍、5個ある人は10.49倍とリスクが高くなる。
★ 断続的な日光暴露をする人は、しない人より1.61倍リスクが高い。
★ 病的な日焼け(サンバーン)の既往のある人は、既往のない人より2.03倍リスクが高い。
★ 日焼けマシーンを受けていた人は1.20倍高い。
★ 免疫低下のある腎移植患者は3.60倍高い。
★ 免疫低下のある固形臓器移植患者は2.40倍高い。
※相対危険度: ある基準に対して何倍リスクが高くなるかを示した指標で、相対危険度が高いほど将来的にメラノーマを罹患するリスクが高くなります。
※※Fitzpatrick (フィッツパトリック)のフォトスキンタイプ
ヒトの肌は紫外線曝露の感受性に基づいてI〜VIの6型に分類されます。一般的に日本人はフォトスキンタイプがⅡ〜Ⅳの方が多いですが、外来ではフォトスキンタイプがⅠの方も比較的多く見受けられます。ご自分のフォトスキンタイプがⅠ〜Ⅳのどれに相当するか考えて下さい。今後の紫外線対策を考える上でとても大切です。
フォトスキンタイプⅠ:白く明るい肌 👶🏻
日光暴露しても色素沈着にならずに紅くなる。酷いと痛くなり、水疱形成する。
フォトスキンタイプⅡ:色白肌 👶🏻
日焼けすると紅くなりやすく皮膚炎を起こしやすい。色素沈着はあっても少し。
フォトスキンタイプⅢ:肌色肌 👶🏼
日焼けで紅くなるが、後に色素沈着になる。
フォトスキンタイプⅣ:淡褐色肌(色黒肌) 👶🏽
日に焼けるとあまり紅くならずに茶色く色素沈着が強くなる。長時間日光暴露しても痛くならない。
フォトスキンタイプV : 茶色肌 👶🏾
長時間日光暴露しても痛くならない。
フォトスキンタイプVI : 黒色肌 👶🏿
長時間日光暴露しても痛くならない。

お風呂に入る時などの隙間時間にセルフホクロチェックをしてみましょう。
メラノーマのABCDE評価をしてABCDEの諸条件に該当するホクロがあれば、日付やホクロの場所、大きさ、特徴をメモする習慣をつけましょう。

メラノーマのABCDE評価の項目に該当するホクロを見つけたら、皮フ科の受診をお勧めします。
院長
