• 2026-02-16

#7 ミノキシジル外用液はペットの口にはいらないように注意しましょう

ミノキシジル外用液は壮年性脱毛に対して1988年にFDA米国食品医薬局により承認された発毛・育毛・発毛剤です。現在、米国では男性2%と5%の液およびフォーム、女性2%液と5%フォーム)が、本邦では厚労省は男性が5%まで、女性は1%までの外用剤を第1類医薬品として承認しており、実際に使用している方も多いと思います。

しかしミノキシジルの内服薬については自己責任で内服している方もいるかと思いますが、心不全などの重大な副作用を生じるリスクがあり、安全性が確立されておらず、脱毛症に対してFDAも厚労省も承認していません。日本皮膚科学会のガイドライン上もエビデンスレベルDで推奨されていません。

ヒトにおける5%ミノキシジル外用液の副作用としては、①頭痛3%、②下腿浮腫と体重増加、③心血管異常(血圧低下、頻脈0.9%など)などがあります1)。

もし誤って愛猫や愛犬がミノキシジル外用液を誤飲したり経皮曝露してしまった場合、どのような副作用がおこるのでしょうか。

過去の報告をまとめた論文がありましたので紹介します2)。犬や猫がミノキシジルを誤って摂取すると、ページ1の図のように心臓、腎臓、肺、肝臓、膵臓などに重大な副作用を生じるリスクがあります。

この論文では、ミノキシジル外用液を誤って摂取してしまった猫と犬の合計94例の報告をまとめています。

ミノキシジル外用液を曝露した猫:68匹
ミノキシジル外用液を曝露した犬:26匹

平均年齢3.6歳(2-7歳)
曝露経由(経口70.2%(66/94)、経皮9.6%(9/94)、両者(20.2%(19/94))。

曝露原因は、犬ではゴミをあさるなどの探索行為で摂取すること(88%)、猫では飼い主のミノキシジル外用液のついた髪の毛や皮膚を舐める意図しない行為による(96%)事例が多かったとのことです。

副作用の症状は、ミノキシジルを摂取して早いと30分で食思不振や呼吸困難を発症します。頻度順では無気力、低血圧、頻脈、摂取不良、呼吸困難、低体温、肺水腫、嘔吐などがあります(ページ2の表)

ほぼ全例の97.8%が入院加療を要していました。死亡例は猫のみで14.7%(10/68)。猫の方が犬より重症化しやすいとのことです。体重が小さいことや毒素代謝のグルクロン酸代謝経路の欠損などが影響しているとされています。健常時に戻るまでに3日ほどかかっています。

かわいい愛猫・愛犬を飼育している方で、ミノキシジルの外用液を使用している方は、ミノキシジル外用液の保管・管理について注意を払うこと、猫についてはミノキシジル外用液のついた頭皮や頭髪を舐めさせないように細心の注意を払って下さい。

万が一、ペットの様子がおかしければ、動物病院に連れて行ってあげて下さい。

院長

引用1):Perfect hair health https://perfecthairhealth.com/minoxidil-side-effects-everything-you-need-to-know/

引用2)1. Eric McMullen, et al, J Am Acad Dermatol 93 (2), 522-524, 2025. https://doi.org/10.1016/j.jaad.2025.04.006

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